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亀島延昌のちょっと一服

 
 

堀川賀正の銀座探訪 vol.17

銀座TSビル

〔銀座TSビル〕
9月に着工、当初は2016 年1月に完成を予定していました

 今回は、モザイク銀座阪急(銀座TS ビル)の跡地を訪ねてみました。未だ記憶の中で色褪せないかつてのビルは1934年に建設され、戦後の増改築を経つつ1956 年に前身の「数寄屋橋阪急」が開業されました。2004年に「モザイク銀座阪急」へ衣替えし、2007年に東急不動産への売却・建て替えが決まりましたが、その間半世紀以上に渡り銀座の買い物客に親しまれてきました。1945年1月の空襲では爆撃に遭いながらも避難する人々をその地下に匿い、その後はPX(駐屯軍のための売店)として連合国軍に接収されました。
 さて、銀座TSビルは9階建てで、およそ半分をオフィスが占めていましたが、東急不動産の手がける新ビルは全体を商業施設にする方針とのことです。3700平方メートルの敷地に地下5階、地上11階、延床面積4万9700平方メートルの大型ビルとなり、地下2階から地上11階までの13フロアが商業エリアとしてテナントを誘致されます。
 全面ガラス張りのモダンな外観デザインは「光の器」がコンセプトで、日本の伝統ガラス工芸である江戸切子がモチーフとなっています。地上階の、数寄屋橋交差点から幅115メートルの外堀通りに面した一帯はグローバルなブランドなど複数の旗艦店の出店が計画されており、銀座の入り口の新たなショッピングストリートが形成されることになります。新ビルは東急不動産にとって「東急プラザ表参道原宿」に続く都心の大型開発案件となります。その名も「銀座5丁目プロジェクト」として2013年が、15年秋には前倒しで開業されます。ここで、銀座周辺のファッションを主とした商業施設の展開を振り返ります。数寄屋橋交差点周辺では、まず2007 年の「有楽町イトシア」開業が記憶に新しく、2011年には有楽町マリオンの中に「ルミネ有楽町」「阪急メンズ・トーキョー」がオープンするなど、比較的若い世代をターゲットにした店舗が相次いでいます。2008年にはH&M、フォーエバー21・GAPなどが銀座に旗艦店を構え、さらに2012 年3月にはファストファッションの金字塔とも言われるユニクロが中央通りに参入しました。
 一方で、銀座で最初の百貨店であった松坂屋銀座店も再開発が進められています。持株会社のJ.フロントリテイリングは「脱百貨店」を掲げ、「松坂屋の店名を残すかどうかは未定」とコメントしています。ファストファッションばかりでなく、ユニクロのオープンと同時期にコム・デ・ギャルソンが「ギンザコマツ」西館の1階から6階までの6フロアに自社製品。またルイ・ヴィトン、セリーヌなど50 以上の高級ブランド品を扱うセレクトショップをオープンしました。銀座は高級品と廉価品の共存する街に変貌を遂げたのです。
 銀座を訪れる買い物客は、現在30〜40歳台が中心で、ここ数年は20歳台も増えてきました。今回の「銀座5丁目プロジェクト」が、銀座に新たな風を誘い銀座の街を盛り上げてくれるのではないでしょうか。