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亀島延昌のちょっと一服

 
 

堀川賀正の銀座探訪 vol.19

赤坂日枝神社

赤坂日枝神社
 今回は銀座から少し足を伸ばして、赤坂日枝神社に訪れてみました。というのも、日枝神社の御祭神は古くから銀座の氏神で、商売繁盛、社運隆昌の御利益に名高くGSK恒例のバスツアーでも毎年必ず初詣に訪れる場所だからです。
 日枝神社は皇居や首相官邸にほど近く、日本三大祭の一つである山王祭が行われる、たいへん由緒のある神社です。古くは江戸山王大権現と称されています。天正18年(1590)、徳川家康公が江戸城入城より、江戸城の鎮守である山王社(日枝神社)はそれ以来、将軍家の産土神として江戸300年を通じて東都第一の社として崇敬されました。民間では「山王さん」の呼び名で親しまれています。
 御祭神の大山昨神(おおやまくひのかみ)は、古事記によると近江国の日枝山(滋賀県の比叡山)に鎮められたのが最初で、赤坂日枝神社のルーツは比叡山にあることがわかります。大山昨神の「昨」は「主」という意味で、大山の主であると共に広く地主神として崇められています。山・水を司り、大地を支配し万物の成長発展・産業万般の生成化育を守護する御神徳は広大無辺で、政界の方々にも厚く崇敬されています。
 さて、山王祭といえば行列の豪華な「神幸祭」が有名ですね。総勢500人の総代役員と氏子青年が王朝装束に威儀を正し、二基の御鳳輦(ごほうれん:屋形の上に金銅の鳳凰を飾りつけた輿)、一基の宮御輿、三基の山車を駆り出し東京都心を練り歩く姿はしばしば「現代の王朝絵巻」に例えられ、あたかも江戸時代にタイムスリップしたかのようです。
 銀座の諸地域も昔から日枝神社の氏子町でしたから、かつてはそれぞれが山車を出しては祭を一層賑わせていました。今は銀座八丁目にあたる山王町・南大坂町・丸屋町は、剣に勇ましく水車と紫の吹貫を付けた山車、銀座一丁目〜四丁目にあたる新両替町は分銅に槌の鉾が二本立ての花山車を出していたのですが、これは厄神が剣や鉾のようなキラキラしたものに集まると言われていたためです。このような山車を引き回すことで行列に彩りを添えるほか、江戸中の厄神をかき集め、神社に送り込むという意義もあったわけです。
 ところで、来たる2016年は干支でいうと申年ですが、実は古くから日枝神社の神様の使いは猿と言われていて、一般の神社で見られる狛犬ではなく、夫婦の神猿(まさる)像が安置されています。日枝神社が安産や縁結びのご利益をも担っているのも、猿は子への愛情が強いという性質を持っており、また猿(えん)と縁が音の響きで通じるためです。
 社殿の右側には夫猿、左側には妻猿と小猿がお祀りされており、妻猿を撫でると運気が上がると言われています。また、日枝神社ならではの「まさる(勝る、魔が去るに通ずる)守り」と「縁(猿)結び守り」は見た目も愛らしくお土産にも人気とのことです。
 隔年開催の山王祭もこの申年ですから、今年の日枝神社は例年以上に盛り上がることでしょう。ちなみに日枝神社は神社としては珍しくエスカレーターが備わっており、足腰が不自由な方にも参拝しやすい仕様となっています。エスカレーターは登りのみなのですが、先の御利益の話もありますから、新年の初詣で御盛栄を願うのはもちろん、妊婦の方も、無理がなければご夫婦での安産祈願に参拝されるのも良いのではないでしょうか。