時節柄か、大きい金額ではありませんが、売掛金をなかなか支払ってくれないお客が数件出てきました。ほっておくのもしゃくなので、督促して少しでも取り立てたいと思いますが。
(基本的な考え方)2年前にもこのコーナーで取り上げましたが、大震災の影響もあり、またこのようなケースが増えてきたようです。他方お客の少ない現状ではあまりお客に強く言えない実情もあるようです。お客を逃がしたくないとのお店の事情は理解できますが、基本的には、このような事態にならないよう一見の客に気をつける、ツケにしないでなるべくキャッシュかカード払いにしてもらう等、事故に遭わないようにする姿勢が大事だと思います。
(回収手続)
まず請求書を手間を惜しまず出すこと、この場合後のトラブルに備えて、できるだけ日付・人数・各々の機会の金額・合計請求金額等の明細を明らかにしてください。あまりにずさんな請求書だと請求自体の真実性を疑われる場合があります。
それでも支払がない場合には、内容証明郵便により請求します。これは、請求の事実を後日の証拠として残す、後でご説明する債権の消滅時効に備えるために必要ですし、お客に対しお店としての断固たる姿勢を示すためにも役立ちます。弁護士に文書作成を依頼すると作成料として5万円程度、弁護士が代理人として弁護士の名前で出す場合には最低10万円程度掛かります。請求書の送付先は、お客の自宅の住所を知らない場合がほとんどでしょうから、お客の勤務先または経営する会社・事務所でかまいません。お客がすでに会社を辞めて書類が届かないケースがよくあります。この場合は弁護士に相談するしかありませんが、お客の住所を調べるのが難しく手続を採っても採算が合わないことが多いようです。回収と採算の見込みが立ったら、裁判を考えましょう。
(ご注意を)
飲食代の債権は、民法上1年で消滅時効に掛かります。当然に債権が無くなるわけではありませんが、相手方が時効を主張すると取り立てられなくなりますので、あまり長い間放置しないように気をつけてください。 |