GSK
銀座の夜バナー   GSK緑化運動   GINZA Official  
           
GSKとは? | 協会案内 | 協会沿革 | GSK便り | 知得アラカルト | 賛助会 | 情報リンク | ご意見ご要望
 トップページ > 知得アラカルト > 法律相談

法律相談

 
法律相談  
 

外国人妻の離婚慰謝料請求
半蔵門総合法律事務所 弁護士 飯島 智之

質問
 私は中国人ですが、日本人男性と結婚して日本で生活していました。ところが、夫のDVがひどく、5年ほどで離婚して中国に帰りました。その後、元夫に離婚慰謝料を請求したところ、中国の物価からすればこれで十分だろうと言われ、数万円の非常に低い慰謝料額を提示されました。慰謝料額に中国の物価は関係あるのですか。

回答
 離婚慰謝料は、離婚原因となった個々の不法行為及び離婚そのものにより被った精神的苦痛を慰謝するために認められている金銭給付であり、慰謝料額は、離婚に至る経緯、原因、夫婦の資産、収入の程度及び婚姻期間等諸般の事情を総合勘案して判断されます。
本件類似の裁判例としては、中国人妻が中国に帰ってから離婚し、その後、日本人の元夫に対して慰謝料請求した事案があります。裁判所は、当該事案について、離婚した者が離婚成立時にどこで生活していたかとの点も考慮すべきであるが、日本における婚姻生活の破綻に基づき日本で慰謝料を請求している場合、慰謝料額を算定するに当たっては、中国での所得水準、物価水準はさほど重視すべきものではない、と述べています。
本件では、質問者は離婚成立時に日本に居住していたのですから、上記裁判例がそのまま本件に当てはまるわけではありません。ただし、質問者が裁判所に慰謝料請求訴訟を提起した場合、慰謝料額は最終的には裁判所の裁量で判断されるので、質問者がすでに中国に帰っていることから、中国における所得水準、物価水準が考慮されて慰謝料額を減額される可能性はあります。
しかし、その場合でも上記裁判例の考え方に従うと、質問者は日本における婚姻生活の破綻に基づき日本において慰謝料を請求しているので、中国の所得水準、物価水準を理由に、質問者の元夫の提示額のように著しく低額の慰謝料額を算定されることはありません。
なお、離婚慰謝料請求権は、離婚成立時から起算して3年で時効により消滅するので注意が必要です。
 また、本件の夫婦は日本で婚姻生活を送っており、基本的には日本法が準拠法となりますが、事情によっては他国の法律が準拠法となることもありますので専門家に相談されることをお勧めします。